第1章

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「信じて、俺は自宅に女を入れたのは夕貴だけだ。」 蘇った記憶を辿ってみる 断片的に現れる場面 パズルのピースをはめ込むように、少しずつ離れていた記憶が繋がっていく。 …そうだ、 ずっと掃除してなかったのを美鈴さんにお願いしたのは私だ あの時、私は眠っていて… 美鈴さんが鍵を返してくれた時、3時間以上経っていた 手際のいい美鈴さんにしては時間がかかったと思ったんだ あの時マスターキーを作ったんだ 信じられない 住み着いて、高村くんの来るのを待っていたんだ そう言えば高村くんが飲み会の時しか使ってないと美鈴さんに話した 私のせいだ 高村くんはなにも悪くなかった それなのに…勝手に嫉妬して勝手に階段で転んで それは自業自得なのに… 彼に仕事をさせなくして、介護までさせて… …最悪だ とんだ疫病神じゃない それなのに、高村くんを罵るなんて なんで助かったんだろう、死んじゃえば良かったのに… そうしたら高村くんにこんなに迷惑をかけないですんだのに… 今すぐこの世から消えたい 「う、うう、ぐふ、ううぅっ… 何で…死ななかったのかな… う、ううっ あのまま死んじゃえば、うう…迷惑かけなかったのに… ごめんなさい 高村くん、ごめんなさい ううぅっ、グズ、…」
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