第1章

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「バカ!怒るよ! 俺は夕貴が生きてくれて嬉しかったんだ。あのまま死んでたら俺も今頃この世にいないよ。 夕貴がいるから俺は生きてられる。 それくらい俺には夕貴が大事なんだ。仕事なんてなくなっていい、家も金もいらない。夕貴さえいてくれれば、俺は生きていける。 もう、いい加減分かってよ。こんなに愛してるのに…。」 「ううっ、高村く、あああ…」 ただただ嬉しくて、からだが震えるほど幸せで 泣くしかなかった。 温かい大きな手が、短くなった髪を優しく何度も何度も泣き止むまで撫でてくれた。
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