第1章

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「夕貴はそれでいいの? 俺と離れて寂しくないの?」 「寂しいよ、いつも側にいたい。 けど高村くんが活躍するのをみたい。 私のためにあなたが輝ける場所にいられないなら、私は…。」 高村くんの手が私の口を覆った 「言わないで… その先、聞きたくない。」 ギュッと抱き締められ上から聞こえる苦しげな声に、胸がキューっと締め付けられる。 こんなに愛されて、側にいれば物凄く幸せなのに… それじゃ、ダメだと心の奥から声がする。 「もう、離れたくないんだ。 夕貴が倒れてるのを見たとき、俺がどんな気持ちだったか分かる? 次またないとは限らないだろ? もし夕貴がいなくなったら… 俺は生きている意味がない。 どんなに世間に認められたって…夕貴がいなかったら、意味がないんだ。」 胸が苦しい程キュンキュンして、めまいがしそうな程嬉しい。 私だって離れたくない。ずっと彼の側で彼の活躍が見たい。
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