第1章

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「まだ飲む?」 ゆっくり頷くと、もう一度水を含み口が塞がれた。 ゆっくりごくっと飲み込むと体に染み込むように美味しい。 「コップから飲んでみる?」 ゆっくり頷く 持ってきてもらったコップを口に当て、傾けると口の横からだらだらと溢れるばかりで飲み込めなかった。 「コップよりこっちの方がいい?」 自分の口を指差す人に頷く。 暖かい温もりからゆっくり注がれる水が美味しいと思った。 ごくごくと飲むと。 「まだ飲む?」 頷くとまた水を注いでくれて、私が首を横に降るまで水を飲ませてくれた。 飲み終わると、抱きしめて頭を撫でながら 「また飲もうな。」 嬉しそうな声に頷いた。 この温もりは安心できる。何もかも委ねても受け止めてもらえるような安心感に、顔を埋ずめた。 ボンヤリした頭、 思い出せそうなのにどこかが塞がっているような… さっき目覚めたとき何か思い出せた気がしたのに… 暫くして、下腹部当たりにモゾモゾした感覚に落ち着かなくなった。 出そう モソモソする私を 不思議そうに見る人にも今度は恥ずかしくて言えない。
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