月は何を見せるか

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部屋にいたのは、中年位の男性とエルフの青年。二人はベッドに腰かけ話をしている。扉が開く音で、ぼくが部屋に入ってきたことに気付いたのだろう。 「おや、もう一人おったか。まあ、三人部屋だしあり得んことでもないだろ。」 そう言って、一人はふんと鼻息を荒くし、 「まさか銀梟?滅多に人になつかないはずでは…?」 もう一人は驚きを顕にする。 それぞれの反応を見て、挨拶をした。 「ぼくはカラ。世界中を旅している。貴方達は?」 「おう、名乗ってなかったな。俺はグラッド。商人さ。腕っぷしにも自信があるんでな、お前さんと同じようにいろんなとこさ行って、そこの特産品を買って売るのさ。んで、こっちは…。」 「ルーフという。見ての通りエルフ族だ。少しクレエンに用があってここに来た。それより、その梟はやはり?」 頷く。 「たまたまなつかれて。スリクスという。大人しいし、夜になったら放すから煩くないと思う。」 じっとスリクスとぼくを見てから納得したように彼は黙った。 「なんだい、珍しいのか?まあ確かに見たことの無い梟だな。銀色の羽は初めて見た。うん、美しく大人しい。」 リーフの言葉を聞いて、スリクスを観察し始めたのに眉をひそめる。なんか値踏みされているようで不快だ。     
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