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彼らは情報交換を行っているようだった。
レイカ山脈の西側の森が元気が無いとか、ホーマリ国の君主の代替わりでゴタゴタしてきているだとか、大きな影響を与えそうなとこを話題にしている。
話に上がらないということは知らないのだろう。サシダ砂漠のアスマ共和国で魔術と魔法についての論争が起きて見事に二つ別れてしまった。サラマンダー族とスコーピオン族が異例なことに手を組んで魔法を押しまくり、人族や龍族が魔術を主張していることを。
「おい、聞くだけってのは無しだ。お前さんも旅をしているのなら何か知っているだろう。」
スリクスの羽繕いを手伝いながらアスマ共和国のいさかいを簡潔に話す。
「魔術と魔法ねえ。俺はどちらも使えんし、学もねえからはっきり言って関係ないな。しばらくそちらに行く用もない。」
はあ、とため息を着いた。
「確かに魔術と魔法は端から見たらあまり違わないように見えるかもしれない。しかし、魔術は術式を組み立てることで幾つもの力を行使できるが、魔法は小さいときから感覚的に身に付いている代わりにそれ以上のものが使えないことが多い。これくらい常識だろう?」
麗しき顔を歪めてリーフは告げた。
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