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「今から考えて見れば、全てが正反対だったな」
そう語るのは赤坂斗真。天パの大人しい青年だ。
「そうだな。似てる所も無いとは言えないが...」
そう返すのは青坂佑真。サラサラヘアーの活発な青年。
今、彼らは桜の下で...いや、とある峠の頂上にある桜の下と言った方が正しいか。で向かい合って話している。二人の手には古びたミニカーが1台づつある...
10年前...彼らはこの桜の木の下にいた。赤坂は赤いマウンテンバイク、青坂は青いロードバイクに乗り、この峠を登って来た。
「なあよ、斗真。」
「何や。」
「あれは持ってきたか?」
と佑真はポケットから何かを取り出す。それを見た斗真も、ポケットから何かを取り出して、桜の木の下に来た。
佑真はブルーブラックの「マツダ.RXー7GTーX(FC3S型)」のミニカー。
斗真は赤黒の「ニッサン.スカイラインRS(KDR30)」のミニカーを持ってきた。
そして、佑真が持ってきたアルミの容器にそのミニカーを入れ、桜の木の下に掘った穴の中に入れ、土を戻した。
二人は『二人共、実車を購入したら取りに来よう』と約束し、峠を下った...
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