我輩も猫である。

1/5
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

我輩も猫である。

 我輩はダイヤと名付けられた猫である。名前の理由は良く知らない。  我輩がこの家に来たのは小さい時らしく記憶に無い。  既に大きい仲間が何匹も家におり、我輩を可愛がって暮れていたが、我輩の遊びに付き合いきれなくなった今は近くに寄るだけで威嚇をされる。  今では縄張りは部屋二つ程しかない。  我輩は外が好きだ。あの大きな場所を自由に走り回りたい。  下僕が毎日外を見せてくれる。  外には、チュンチュンと鳴く鳥がいる。緑の草がある。食べてみたい。  下僕が濡れた服を外に出す時、我輩は思い切って何度が外へ出た。  広い世界に感動し、直ぐに走ると我輩の視界が急に上がる。  そう直ぐに下僕が我輩を持ち上げ家へと入れられる。その際に頭や体を数回叩かれもした。理不尽である。其の度に我輩は下僕を爪で注意するが、その何倍も叩いてくる。ふむ。今日はこれぐらいにしといてやろう。  そうそう我輩はこう見えても人間の話している事は少しは解るのだ。いまもTVとかいうもので『お正月』と言うのがやって来ると聞いておる。  ふむ。狭い家なのにまた何か来るのか、人間とは面倒な者だの。     
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!