明楽永久で在れ

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「よかった!あなたに電話して。新輝君 私、お父さんのためにもお母さんのためにも、頑張って書いてみるわ。多分にこの原稿を引用させて貰って書いてみるわ。」 「お願いしておきます。」      それから半年が過ぎたとき、 絵際沙紀先生が和佐俣家にやってきて、一冊の本を仏様の前に供えた。 そして手を合わせ、 「お父様、お母さま、この様に本になりましたので、お持ちいたしました。  それで原作者のところはお父様のお名前と、私の名前の共同原作にさせてもらっています。 出版社の方の案で、それが何よりであると言われお任せしました。  出版に当たり、新輝君にもお世話になり、健一さんにもご理解いただき、多くのこともお聞きし、こうして立派な一冊の本が出来上がりました。  お二人が歩んできた道は険しかったかも知れませんが、それに短かったかも知れませんが、「夫婦」と言う二文字の意味が、あなた方ほど深く重い意味のある方は居ないかも知れません。  お二人は決してご自分の立場を主張しなかった。愛しき人のことだけを考えての潔い行動であり、 そこに尊い意味が存在していると思います。  お互い命を差し出す夫婦など外に居るでしょうか?  第一私がそんな夫婦になれる自信や覚悟など悲しいかなありません。 でも、でも、あなた方のような人物になりたいです。そしてそんな人と巡り合いたいです。    お二人に出会えたことを、深く、深く感謝申し上げます。     多分お二人は誰よりも幸せだったのだろうと、この小説が出来上がった今ひしひしと感じます。  ありがとうございました。  重ねてご冥福をお祈りいたします。   (ホイットニーの歌が流れ)
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