焼き裂かれたふたり

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「桜火様……あなたのいないこの世など、私にはなんの価値もございません……。私も永遠に、桜火様を愛しております……」 八重はそう言って懐から短刀を取り出す。その短刀は何かあった時の為と、かつて桜火が八重に渡したものだ。 「桜火様、今向かいます……」 八重は短刀を自らの胸に突き刺し、桜火に重なるように倒れた。 倒れた時の衝撃で、八重の髪を結っていた赤い紐が解けた……。
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