永久の桜

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「雅! 次の移動教室一緒に行こうぜ!」 桜の噂に思いを馳せていたら声をかけられ僕は現実に引き戻される。いつの間にか真隣に友人の宇月がいた。 真っ黒なサラサラとした短髪に黒縁の大きな眼鏡をかけており、色白でパッと見で僕と同じいわゆるイケてないグループに所属してるとわかるが彼はいわゆるお調子者で女の子にそこそこ人気がある部類である。 桜の噂、彼は信じているのだろうか? と少し気になったことも以前はあったが今はない。 ……僕も宇月もそんな事を気にするような相手がいないからだ。 「そう言えば移動教室って響きももう今年で最後か。早いもんだなぁ……」 宇月が独り言の様に呟き僕を振り返る。 「つまり、宇月と会ってからもう3年経つって事か……確かに早いね」 「だろ? 歳はとるもんじゃないなぁ……」 「何ジジイみたいな事言ってんだよ……。僕達まだまだ成人もしてないよ?」 「気持ち的にはもう年寄りさ」 宇月は両手を横に広げやれやれとわざとらしく溜め息をついた。
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