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俺は不幸だ。
幸せなことを幸せだと感じることもできないし、楽しいことを楽しいと思えない。
嫌なことばかりの俺のこれまでの人生。
もしこの世界のどこかに神様がいるのなら、その神は人を幸せにすることはできない神だ。
退屈な、つまらない、意味の無いこの人生に、価値はない。
そんな人生を送る俺の価値なんて、あるわけない。
あの日、あいつが死んだ。それだけで世界は一瞬で暗くなった。
『嘘つき、許さない』
頭に染み付いて離れない、あいつの声。
『玲央なんて、大嫌いっ……』
俺の犯した、過ち。罪。
「ごめんなさい」
償うことは、しないけど。
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