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「おーーまーーえええぇ、何っつー呼び方すんだ、よっ!」
「ふがっ」
猛スピードでズカズカ歩み寄ってきた早杉翔に、低い鼻をおもいっきりつままれた。
その直前。いつもの鷲掴みモーションで大きな手のひらが一瞬頭上を彷徨ったのだが、さすがに躊躇ったらしい。
相変わらずの気遣いと見惚れるほどの格好良さに、妙なポーズながら思わずじんわりほっこりしてしまった。
というか、そんなところに気が回るならいっそ何もしなきゃいいのに……という気がしないでもないが。
どうにも手を出さずにいられないほど今回もまたムカつかせてしまった、ということなのだろうか。
「あ、あっえ! うあおおへんあい――」
「何言ってっかわかんねーし!」
ならまずはその手を離して!
目での訴えが成功したのか、すぐに鼻は解放された。
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