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「おー、ちゃんとうるせえ。すっかり復活してんな。良かった良かった」
「そ、それ言うために、わざわざ四階まで上がって来たんですかっ!」
そういえば沖田侑希情報で「翔は寒がり」ってのがあったな、と思い返しつつも必要以上に声を張り上げるのは忘れなかった。
この一個人限定の夏服フィーバーとテンパリ具合は決して気取られてはならない。
「いや、これはついで。ほれ」
「『ついで』って……!」
飄々と答えながら翔が指し示した反対側には、今の今まで気付かなかったが、ワイシャツにネイビータイの男子生徒がもう一人。
「塚本先輩……」
呆れるでも止めに入るでもなく、騒がしいやり取りを見守る体で塚本が静かに佇んでいた。
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