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本棚に追加「拓海くんは優しいから、気を付けないと女に付け込まれるぞ。チョロチョロ寄り道なんかしてっから腰を痛めるんだよ!まっすぐ帰って来いよな!!」
アツシは力を込めると背中がひりつく程擦るから、俺は逃げたくなる。
「痛いって----ッ。チョロチョロなんかしてないからな!お前こそ、ヤリチンは卒業したんだろうな。何処かから湧いて出てくるなんて嫌だから!吉田とも口きくなよ?!」
俺が顔も見ずに言うから気に障ったのか、アツシは俺の肩を掴むと身体を上に向ける。
アツシと目が合った。
やっぱりちょっと涙目。メガネ越しにでも分かるほどだった。でも、口角をあげてニヤッと笑うと言った。
「オレはまっすぐ拓海のここに帰って来るよ!だから、ちゃんとスペースは開けて待っててくれよな?!」
アツシが俺の胸に頬を当てると、じっと見つめてくる。その目には迷いがなかった。そっと胸に手を当てて摩ると、もう一度ニコリと笑う。
「バーカ。ここはアツシの特等席に取ってあるんだから、いつでも待ってるって。寄り道すんな!」
「お前もな!」
俺とアツシは互いに笑い合って、しばらくはじっとそのままの姿勢で過ごした。俺の心臓の鼓動が聞こえると言って、耳をつけては安心したような顔をするアツシに、俺の目頭も潤んでくる。
中学、高校、大学。社会人になってからも、俺とアツシの世界は二人で回り続ける。
きっとこれからも、あみだくじみたいな人生の道を自分で選んで右や左に進んでいくんだろう。
けど、その先に待っているのが俺とアツシの帰る家ならば、何も怖くは無いと思う。まっすぐ何処にもよらずに、お前の胸に返るからな---------。
_____完

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