懐古

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 どうかな。と、提案してくれた彼に、私は喜んで頷きました。私が咄嗟に考えつくどんな品物より、普段からセンスの良い彼が選んでくれる品物の方がよっぽど素晴らしく価値のあるもののように思われました。    それから一週間後、私の誕生日の日、彼は私近所の公園に呼び出しました。彼の家の水道管が破裂して、工事があるので家では遊べないと言うのです。そういうことならと、私は公園に出向きました。  私が公園に入ると、彼はもうすでに着いており、ベンチに座って、大きな木のてっぺんをぼうっと眺めていました。  こちらに気がつくと、彼はベンチから立ち上がり、彼らしからぬいたずら顔でにやにやと笑いました。彼の手には小さな包みが握られていました。それが私へのプレゼントであることを察した私は、なんだか気恥ずかしくて、こちらもにやにやと笑いました。  「お待たせ。ずいぶん早かったんだね。」  「僕は時間通りにきたよ。君が遅いんだ。」  彼は持っていた包みをバッと僕の方に差し出しました。  「誕生日おめでとう。」  彼はにやにや顔のままで、そう言いました。  「ありがとう。」  私もにやにや顔のまま、それを受け取りました。  赤い包装紙と銀色のリボンでラッピングされたそれは、小さいわりに重さがあり、何が入っているのかさっぱりわかりませんでした。  「開けてもいいかい?」  「どうぞ。」     
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