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段々面倒くさくなって好きにさせてるうちに、気がつけば触れられるのが嫌でなくなっていたことなんて。
君は知らないでしょう?
もう少しこのままで。
この緩い時間の中でふわふわ浮いていたい。
「起きてくれないと困るんです。だって」
ふいにまぶたに届いていた日差しが遮られた。
びくんと震える私。
触れるか触れないか。
かさついた、でも暖かな熱を持ったものが頬を掠めていった。
「このままじゃ先輩を好きになりすぎる」
耳の近くで囁かれたその言葉に。
空っぽ頭はすっかり目覚めたというのに。
却って起きることが出来なくなって。
きつくきつく
私は目を閉じ直した。
完
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