1.教室でひとり

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と、いろいろ思案していると、ドアの側に一枚の紙切れが落ちているのに気が付いた。 さっきまではそこになかった物だ。 あたしは立ち上がり、その紙切れを拾いに行った。 それは白い封筒だった。 しかも丁寧な字で、うちのクラスのある女子の名前が宛名として書かれている。 「あっ……」 ──直感的にそれがラブレターなるものであることに気付いてしまったあたしは、声をあげて男子に目を向けた。 それとほぼ同時に、 「……え? あ──」 男子も例の落とし物に気付いたのだろう、振り返っては慌てふためきながらあたしの方へ駆け戻ってきた。 「す……すいません、すいません!」 赤面しながら、あたしの手元からラブレターなるものを奪い返す。 「…………」 「あの……中身、見ました?」 「え?」 「その、封筒の中身……」 伏し目がちに苦笑いしながら聞いてくるその男子に、あたしは驚きつつも首を横に振った。 「見てない、けど……」 「……宛名、は……?」 「……。見ちゃった……かも……」 「…………」 「…………」
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