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「ひ、姫様……? そのお姿は……!?」
「み、見ましたわね……私の、絶対の秘密を……!」
激しい羞恥心からか、姫の顔が耳まで真っ赤になる。加えて……恍惚の表情、止まらない涎、明らかに乱れている呼吸……
学生時代から勉強漬けで、異性との接触などほとんどなかった僕だが、さすがに姫の現状は完全に察してしまった……いや、察したくはなかったのだが。
「姫様……あなた、まさか……?」
「おやめなさいっ!!!」
「……それ以上、何もおっしゃらないことです!! でなければ、私、解放してしまいます。999年の浪人生活で宿った……世界を黒く浸潤する力を解き放ってしまいますっ!!」
「この……【ダークマター】を!!!」
そう言った姫の周りは、得体の知れない黒く禍々しいオーラで包まれ、やがてそれは空間をも侵食し始めた。
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