Happy Bath Time

　と返す。銭湯や温泉の話を簡単に説明すると、それはなかなか興味深い、という反応が返ってくることもあれば、お金を払ってお風呂に入るなんてあり得ない、公衆の面前で裸を晒すなんて恥ずかしい、という声もある。

　ジェットバスも付いているのにもったいないなあ、と思いながら、でも私にはそれ以上上手にお風呂や銭湯の魅力を説明する英語力が無くて、最後に
「旅行から帰ってきた時のお風呂は、言葉では語れない程本当に気持ちが良いよ」
　とだけあがいてみせて、さり気なく別の話に切り替える。

　一度だけ日本語が話せて日本のお風呂にも入ったことのある外国人と話してみたことがあるけれど、その時はとても盛り上がった。結局のところ、お風呂の心地良さは、言葉で説明するよりも実際に入ってみなければ分からない、というのが最近たどり着いた自分なりの結論だ。

　昔のことを思い返しているうちに段々体がのぼせてきたので、言うことを聞くようになった脚を動かして、窓を開けた。外の空気が浴室内に入ってくる代わりに湯気がさーっと外になびいて消えていく。冬は今みたいにのぼせるまでお風呂に浸かって、のぼせると少しだけ窓を開けて外の空気を取り込むのが好きだ。