Happy Bath Time

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 春や秋は、最初から窓を少しだけ開けて風の流れを感じてお風呂に浸かる。春や秋の風は、何だか切なくて少しだけ私の心をアンバランスにさせるけれど、それでも、露天風呂が心地良いように、風呂に入りながら外の空気を感じられるのは幸せだから、私は春と秋は窓を開けてお風呂に入る。  夏はぬるめに設定して、プールのように体を頭まで沈めて入るのが習慣だ。暑いからシャワーで済ませたい、という家族に、何とか二日に一回で良いから入りたい、自分が風呂掃除をするからと言ってお風呂タイムを作るのが我が家の夏の風物詩にもなっている。  こうして私のお風呂タイムは四季折々、色んな入り方を楽しんでいる。仕事で本当に疲れていた時はお風呂の中で寝てしまって、お母さんが起こしにきてくれたこともあるし、酔っ払って脚を滑らせて転び、お尻にあざを作ったこともある。学生時代は部活動で疲れた体を癒やしたり、失恋の傷を癒やしたり。社会人になったら人間関係の疲れや肉体労働の疲れを癒やしてきた。決して、旅行で疲れた脚を癒やすためだけのお風呂じゃ無い。ここには簡単には語り尽くせない程の二十年分の沢山の思い出が詰まっている。     
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