記憶

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「ごめんね、急に呼び出して」 私の目の前に立った郁人は、いや、と目を伏せたまま返事をした。彼は、告白されることにちゃんと気付いていた。 ずっと考えていた。何と言えば、この想いを伝えきれるだろうかと。そして、考え出した答えはシンプルなものだった。 私は、郁人が好き。心の底から、大好きだ。 それ以外、伝えるべき言葉は見つからなかった。 「好きです。付き合って下さい。ダメ…かな?」 私は、彼にそう告げた。言葉を発した私に視線を向けた彼の目をじっと見つめて。 そして、郁人は短い沈黙の後 「ごめん」 そう、呟くように言ったのだった。
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