エピソード3

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エピソード3

桜の木の下で、私は、誰かに、向かって 手を振っている。誰か通りの向こうから 私に近寄ってくる。 どんどん、距離が近くになってきた。 私は、ドキドキしながら、待っている。 私は、手を振りながら、誰かの名前を呼んでいる。 とても幸せそうな顔をしてた。 どんどん近づいて来る人影が、誰なのかわかった。 病院で会ったあの男の人だ。 夢の中の私は、「九条(くじょう)様」と言って 嬉しそうに駆け寄り抱き締めた。  幸せな気持ちで、いっぱいだった。 九条様と、呼ばれた男の人は、 夢の中の私の頭を撫でながら 優しく、愛しそうに、微笑んでいた。 目が覚めた私は、泣いていた。 九条様と、呟き、はっとした。 この夢の中の出来事は、本当のことだったのか? だとしたら、前世か、なにかの記憶なのだろうか? はっきりとは、まだわからないけど 九条と聞いて、胸が、締め付けられるような気持ちになる。
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