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彼女は、学校近くの桜並木で立ち止まっていた。
満開の桜の木の下で、じっと、桜を見つめる彼女の姿は、とても綺麗で、一瞬で、恋に落ちた。
「綺麗な桜…。」
彼女が、そう言ったのが聞こえて、俺は、思わず、話しかけた。
「本当に綺麗だなぁ…。
その桜に負けないくらい、君の横顔もすげぇ綺麗だけど…。」
「えっ…?」
気障な台詞だな…って自分でも思いながらも、話しかけたことに後悔はなかった。
彼女は、急に話しかけた事に、ビックリして振り向いた。
そしたら、横顔ではなく、真正面から見ても、やっぱり、写真の女性とそっくりで、間違いなく、前世の女性だと確信したんだ。
彼女は、急に話しかけられて、怖くなったのか、後退りをしてしまった。
「あっ…驚かせて…ごめん。
桜を見てる君の姿が、あまりにも綺麗だったから…。」
彼女は、俺の言葉を聞いて、顔を真っ赤にしてうつ向いた。
「君…その制服…如月学院高校の…。」
「あっ…はい。
今日、入学式です!!」
「そうか…。
俺も、今日から、そこの教師。よろしく!!」
俺は、そう言うと、ニカッと笑って、ピースした。
嬉し過ぎて、自分が教師だということを忘れて、ピースしてしまった。
そして、俺は、彼女に近づいて、彼女の髪に触れた。
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