私の、日記

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私の、日記

 四月一日。  またこの季節が、やってきた。  ちらりと視線を送れば、いたのは鮮やかな着物の少女と侍姿の少年で。二人ともこころなしか頬を赤らめてもじもじとしている。あぁもう、焦れったい。さっさとどちらかが告白すればいいのに、見せつけられているこっちの身にもなってほしいものだ。  見るに見かねて背中を押してやれば、彼女の方は少し驚いた顔をしたけどすぐに前を向き、彼の手を握る。その調子、頑張れ。  私には見る事や背中を押す事しかできないの。だから、ここから先はあなたの仕事よ。  四月四日。  今日は可愛らしいスカートの女の子と、少しばかりおめかしをした男の子だった。なに、一丁前に花なんて持っちゃってさ。けどそういうおませな男の子、私嫌いじゃないわ。だから頑張れ、そう、そのお花を渡すの。  ……二人ともいい笑顔、世界一可愛らしい笑顔よ!
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