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「だって、一生懸命がんばって踊ってた若葉は、きらきら輝いてたもん。青春って、きらきら輝くことだと思ったんだけどなぁ」
たまちゃんは、こういう普通の女子高生が口にできないような青臭い発言を平気でできる人なのだ。
そして私はこの類たぐいの台詞にとことん弱い。
そのため、何も言い返せずに口が半開きのままになってしまった。
そこにマユがすかさず突っ込んできた。
「たまちゃん! ナイス! そうっ! その通りだよ、若葉! 若葉は『きみの青春』をみすみす手放すつもりかね!? もったいないなぁー。ああ、もったいない」
「……ずるいよ……二人とも……」
声を振り絞った私に対して、たまちゃんの温かな手が、そっと背中にそえられた。
そして彼女はいつも通りのゆったりとした口調で、私を『落とし』にきたのだった――
「もう少しだけやってみたらどうかなぁ? それでも嫌なら、やめればいいじゃない」
たまちゃんの優しい声が心に沁み渡ると、再び子どもたちの無邪気な笑顔が浮かんできた。
せっかく結ばれた、りゅっしーと子どもたちの『絆』が切れてしまうなんて……。
そんなの嫌だ!
ついにもやもやした心の中に、一筋の光が差し込むと、決意が独りでに言葉となって出てきた。
「……うん、分かった。もう少しだけ続けてみる」
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