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「当たり前だろうが。お前がいないと困るしっ」
……そ、そりゃ「結婚して!」とか迫ってきたら分からないが……金も借りてるし。でもこいつがいなかったら好き勝手に遊ぶこともできないから今はまだ生きていてもらわないと困る。
「お前だって困るだろうがっ!」
「うん、まあそうだね」
なんだよその言い方!
「そっかー。困るのか~~嬉しいなー嘘でもそう言ってもらえて」
「う、嘘じゃねえし!!」
「ふーん……でもごめんね」
「え?」
「私はずっと思ってるんだ」
セリフと同時に側頭部に衝撃を食らう。なに?え……あ……缶ビール……?白いビニール袋が何度も反動で倒れた俺に向かって振り下ろされる。
「私はアンタの奴隷じゃないんだよ」
いたい、イタイ、痛い。眼の前が赤く染まる。いつもはなんでも言うことを聞く彼女なのにやめてくれって言ってもやめてくれない。まるで鬼か夜叉のよう。なのに彼女はいつものように笑っている。……いつも笑っていたのは仮面だったのだろうか?
「でも……安心して。一人で死なせないから。……アンタの言う通りだよ。私、アンタがいないと困るんだ」
フッと切なく彼女が笑う……いやいやだったら殺すなよっ!!
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