桜の花びら散る頃に

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ー生まれ変わっても、僕はまた君に、恋をすると思うんだ。 「あかり!早く!」 薄紅色に染まった土の上を舞うようにして飛び跳ねる、ちはる。 同じ小学校を出て同じ中学に行き、そしてまた同じ高校に行く。僕達はどこまで一緒にいられるだろう? 「あかり!入学式遅れちゃうよ!」 新しいセーラー服姿のちはるを見てときめく僕は、きっとちはるに恋をしているのだ。 ふと上を見上げると、小さな花びらが風に吹かれて散っている。僕の頬をかすめた花びらは静かに地面に落ちた。 いつか僕達もこの花びらのように散るのだろう。見つからなくなってしまうのだろう。 それでも僕は君を探し出すよ。 だって僕はちはるが好きだから。 「うん!」 僕は大声で返事をして、彼女のもとへ駆けた。 ちはると同じスカートを、翻しながら。
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