4. 終電のあとに

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

4. 終電のあとに

終電のあとに 酔ってたわけじゃない 夢見てたわけでもない 終電間際駅のホーム 訊きたいことがあるのって 泣き出しそうな顔をして 繋いだ手に力が入って 僕は歌う おんぶにだっこでぶら下がった 二人きりの1K 君が残したものはいまでも あのまま残ってる あなた進歩してないねって あなたなにも変わってないねって 愛想をつかして愛を無くして 翌朝君はいなくなったんだ 幾千の後悔を口ずさむ このまま夜が明けたら このまま朝が来たなら 君はどこへ行ってしまうのだろう 追いかけたくなる背中も 叫びたくなるその名前も 終電の発車ベルにかきけされる 終電のあとに 残されたのは 不甲斐ない男一人だけ このまま夜が明けたら このまま朝が来たなら 君はどこへ行ってしまうのだろう 手を伸ばしても届かなくて あの日の僕はなにを思う 終電の発車ベルにかきけされる 終電のあとに 残されたのは 不甲斐ない僕一人だけ
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!