5. 風が吹いた

1/1

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

5. 風が吹いた

飽きもせずに毎日 僕らは転がるように生きる 両手を広げてみても あの青さには届かない 飽きもせずに毎日 僕らは転がるように生きる 全身で叫んでみても この声はもう響かない 砂ぼこりあげるつむじ風 似たように笑う蜃気楼 たしかなものなどないけれど たしかに僕はここにいる 退屈に押し込められて狭い この手が届く範囲の世界 きっと世界征服もおてのもの でもやっぱり君のためじゃないと やるきもなにも起きなくて じゃあこのままでいいなって 寝転ぶ僕を尻目に 風が吹いている 誰かがどこかで涙流して 誰かがどこかで引き金を引く それでも流れる音楽は尊く 見えない薬になっていく 砂ぼこりあげるつむじ風 似たように笑う蜃気楼 不確かさに安心して 不覚にも泣き出した 全然変わらないんだよ あの日君を泣かせた僕は 手が届くところでまだ 両手を広げて待っている 退屈に押し込められて狭い この手が届く範囲の世界 きっと世界征服もおてのもの でもやっぱり君のためじゃないと やるきもなにも起きなくて じゃあこのままでいいなって 寝転ぶ僕を尻目に 風が吹いている
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加