転校生

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「ちょっと、北郷さん。いいかな?」 ここで救いが入った。愛すべき僕の幼なじみ、羽海だ。ナイス、羽海。僕をこの天使の皮を被った悪魔から助けてくれ。 「相良さん……。駄目です。駄目駄目です。」 「な!?」 「今、私は星海君に生死を賭けたお願いをしてるのです。」 「……はい?」 こいつ頭おかしいな。 いきなりパンツ、パンツ。正気じゃない。 羽海も度を越した北郷さん――いや、ド変態か。 ド変態の発言に押され気味だ。 と、ここで鶴の一声。裕斗先生だ。 「北郷さん、ちょっと廊下で話しようか?」 ◇◇◇ 北郷さんと裕斗先生が連れ立って教室から出ていった。 その際、北郷さんが渋ったのは言わずもがなだろう。 彼女に一目惚れしたであろう男は数多の数居たであろうに、当の本人があんなことを言ったのだ。 教室はいつもの倍以上の騒々しさである。 「ねえ、優。さっきの何だったんだろうね。」 羽海にも、いつもの溌剌さが感じられない。 「本当に……。あれ、男だったら殴ってたよ。」 「もしかして、怪異の仕業だったり?」 「何でも怪異の仕業にするのはね……。」
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