1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと、北郷さん。いいかな?」
ここで救いが入った。愛すべき僕の幼なじみ、羽海だ。ナイス、羽海。僕をこの天使の皮を被った悪魔から助けてくれ。
「相良さん……。駄目です。駄目駄目です。」
「な!?」
「今、私は星海君に生死を賭けたお願いをしてるのです。」
「……はい?」
こいつ頭おかしいな。
いきなりパンツ、パンツ。正気じゃない。
羽海も度を越した北郷さん――いや、ド変態か。
ド変態の発言に押され気味だ。
と、ここで鶴の一声。裕斗先生だ。
「北郷さん、ちょっと廊下で話しようか?」
◇◇◇
北郷さんと裕斗先生が連れ立って教室から出ていった。
その際、北郷さんが渋ったのは言わずもがなだろう。
彼女に一目惚れしたであろう男は数多の数居たであろうに、当の本人があんなことを言ったのだ。
教室はいつもの倍以上の騒々しさである。
「ねえ、優。さっきの何だったんだろうね。」
羽海にも、いつもの溌剌さが感じられない。
「本当に……。あれ、男だったら殴ってたよ。」
「もしかして、怪異の仕業だったり?」
「何でも怪異の仕業にするのはね……。」
最初のコメントを投稿しよう!