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121.スタートライン
ダンジョンの入り口付近の安全を確保すると、すぐさま後続部隊が送られてきた。
土魔法のスペシャリストたちが手分けをして重厚な扉を取り付け、神殿関係者や結界を張る専門家が幾重にも防御を施している。
そんな彼らを神殿騎士団と近衛軍が反目しあいながらも警護にあたっていた。
俺たちは偵察と討伐を兼ねてダンジョンを探索することになった。
スキル「式神」で火鼠を呼び出し先行させる。
火鼠の炎でダンジョン内はオレンジ色に明るく照らされた。
先頭は防御力が最も高いゲイリーが歩き、続いてロゼッタさん、リアと吉岡、俺、最後尾をクララ様が守る。
全員敵襲に備えて歩いているが、俺だけはスマートフォンの歩数計アプリを使って大まかな地図を作りながら歩いた。
「右に扉を発見。探索するよ」
頭を覆うヘルメットがゲイリーの声を伝えてくる。
ゲイリーの「魔信」はどんな物質でも通信機器に変えることができる便利なオリジナルスキルだ。
これのお陰ではっきりとした意思の疎通ができる。
「ゲイリー、罠があるかもしれないから俺に任せてくれ」
スキル「ダミー」で分身体を作り出して扉をあけさせた。
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