4.特別なシチューを貴方に

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「はい! ケガもしてたし、ずっとご飯も食べてなくてお腹が減ってて本当に心細かったんです。そんな時にコウタさんがやってきてくれました」 リアは感極まったように俺を見つめる。 俺ってば結構役に立ったんだな。 よかった、よかった。 「コウタさんは時空神様がお(つか)わしになった人なんですよね?」 「えーとね、たぶんそうだと思う」 時空神には会ったことないけど、そういうことになるよな? 「やっぱりそうだったんだ! だから私、時空神様にもお礼を言わなければならないと思って、家に帰ってすぐに祭壇にお供物(くもつ)を捧げました。そしたら頭の中に召喚術式が流れ込んできたんです」 なるほど、リアは時空神によって俺の召喚者に選ばれたようだ。 「私、召喚術なんて初めてだからうまくできるかすっごく不安だったんですけど」 「でも、ちゃんと俺を呼び出せたね」 「はい! だけどやっぱり召喚術は大変です。私の魔力はほとんど空っぽになってしまいました。10日くらいは魔法を使えそうもないですよ」 ほうほう、俺を呼び出すには魔力が必要なのか。 しかも消費した魔力は簡単には戻らないらしい。 ホイホイ気軽に召喚できるわけじゃないんだ。 残念。 もしそれができるなら、リアに頼んで召喚してもらえばスキルが取り放題だったのに。 まあしょっちゅう呼び出されても困ってしまうか。     
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