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6.前言を撤回します
「えーと……アンスバッハさん。それはどれくらいの期間を要するのでしょうか?」
俺はガラッと口調を変えて聞いた。
労働期間、賃金、労働環境はこの際はっきりさせておいた方がいい。
ブラックなところで働くのは勘弁してほしいのだ。
「き、期間とな?」
突然俺の態度が変わったのでアンスバッハさんもびっくりしているようだ。
「はい。契約期間を先に決めておかなければ後々問題が起きてしまう可能性があります」
「な、なるほど。おっしゃる通りだ。出発は三日後を予定している。王都へは約一カ月の行程になるだろう」
「その後、王都での軍務につくんですよね?」
「うむ。おそらく王都警備隊として半年間勤務することになる」
長すぎるだろう!
「その間ずっと従者としてお仕えするわけですか?」
「い、いや。ずっと一緒でなくてもよいのだ」
断られそうと思ったのかアンスバッハさんは慌てて付け足す。
「用事がない時は戻ってもらっても構わない。改めて召喚しなおす故また来てくれれば……。もちろんこちらでの休日も設けよう!」
この人けっこう必死だな。
だけど、自分にとっては何度も召喚してくれるのはありがたいぞ。
それだけスキルが増えるもんね。
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