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東を目指して走っていくと村人たちがモンスターと闘っていた。
人間は10人以上いたがモンスターの数はもっと多い。
身長150センチほどの緑色をした子鬼が30匹くらいいる。
こいつらがゴブリンか。
ゴブリンが打製石器の槍や斧を武器にしているのに対して村人たちは粗末な槍や農具で応戦している。
ゴブリン一体一体の戦闘力は低そうだが、数が多いだけに危険だった。
そんな戦闘の中に遠目でも目立つ青い髪の少女がいる。
リアだ!
空間収納から鉈を取り出してリアの所へ駆け寄った。
「リア!」
「コウタさん!」
ゴブリンを槍で突き殺したリアの側へいく。
「ノエルは?」
「連れて行かれました。追いかけたいんだけどこいつらが邪魔で」
往く手を阻むようにゴブリンたちが道を塞いでいる。
ノエルを助けるためには俺も覚悟を決めなくてはならない。
俺の基本スキル「勇気6倍」よ、俺に力を与えてくれ!
初めて使う魔法が実戦になってしまったことに怯えながら手に魔力を貯めた。
3秒で魔力は必要量に達し左手の上にパラライズボールが生まれる。
ピンポン球程の大きさの白い光弾だった。
勢いよく手のひらを近くにいたゴブリンに向けると、光弾は飛び去り、違うことなく命中した。
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