8.火を焚いて君を待つ

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8.火を焚いて君を待つ

 クララ・アンスバッハの従者としての生活が始まった。 王都への出発は一週間後なのでそれまでに仕事のあらましを覚えなければいけない。 執事のエゴンさんに付いていろいろ学んでいくことになった。  最初に覚えさせられたのが鎧を身に着ける手伝いだ。 クララ様が軍務につかれる際は体全体を覆うプレートアーマーを用いる。 アンチマジック処理が施された鎧の重量は20㎏以上あるので着せるのも一苦労だ。 だが鎧がなければ騎士の仕事は務まらない。 この世界の騎士の戦法は、馬で敵陣へ突っ込み攻撃魔法をぶっ放すことがメインだ。 だから側面から飛んでくる矢や攻撃などから身を守れるプレートアーマーが必須だと教えてもらった。 それにしてもクララ様はプレートアーマーを装備していても華麗に動く。 身長は178センチある俺より少し低いくらいだが、筋肉質な体つきをしているようだ。 肌の露出はほとんどないから実際はどんな感じかわからないんだけどね。  プレートアーマーはいくつものパーツがあって非常にゴチャゴチャしている。 最初は40分以上かかって着せていたが練習するうちに慣れて、最終的には15分で着せられるようになったぞ。     
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