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今いくぞ!
あれ?
すぐに助けようと思ったのはいいのだが、なんだか違和感を覚えた。
俺ってこんなに勇敢だったけ?
いや考え事をしている時間はない。
とにかく声のした方へ向かった。
慌てて駆け付けた俺の目の前に信じられないような光景が広がっていた。
青い髪をした女の子に巨大な蜘蛛が襲いかかっていたのだ。
尋常のデカさじゃない。
大型犬くらいのサイズだぞ。
女の子は石の床に組み伏せられていて、今にも蜘蛛の牙が白い肌を食い破りそうだ。
剣で蜘蛛の牙を受け止めていたが長くは持ちそうになかった。
後から考えると自分のどこにそんな勇気があったのか不思議だ。
普段の六倍は勇敢だったと思う。
とにかく女の子を助けなきゃいけないと思ったんだ。
ぎゅっとピッケルを両手で握りしめ、蜘蛛の背中めがけて思いっきり振り下ろした。
ピッケルの先端が蜘蛛の背中に突き刺さり青い体液が滲み出る。
巨大蜘蛛が痛みに体をよじり俺は床に投げ出されてしまった。
幸いピッケルにはリーシュという紐がついていて俺の身体に結び付けられている。
投げ飛ばされると同時にピッケルも蜘蛛の身体から抜け、俺のすぐ近くに音をたてて転がった。
反射的にリーシュを引っ張ってピッケルを手繰り寄せる。
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