8.火を焚いて君を待つ

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「ふぅ……。コウタさん今のはアダロバードといってモンスターの一種です。こちらから攻撃を仕掛けない限り滅多に襲ってはきませんが、害を加えると反撃してきますよ」 「ごめん!」 あれはモンスターだったのか。 これからはむやみに攻撃しないようにしないとな。 今のは単体だったからよかったけど群れで反撃してきたらなす術もない。 これからは生き物の種類とかも覚えていかないといけないか。  それにしてもアダロバードにはパラライズボールが効かなかったな。 出力小さめで撃ったせいかもしれないけど、モンスターによっては効かない相手もいると覚悟しておいた方がよさそうだ。  こちら側にやってきて四日目。 今日はちょっとしたお出かけの日だ。 朝からクララ様と狩りに行くことになっている。 狩猟は騎士にとっては鍛錬も兼ねているのでクララ様はフル装備だ。 俺は荷物を持ってお供するわけだが、徒歩でいかなければならない。 バイクに乗ってったら獲物が逃げちゃうもんね。  持っていくように指示された袋の重さは10キロくらいあった。 中身をみると、手斧、食料、革袋に入った水、毛布、麻紐などだった。 これの他に杖代わりにもなる粗末な槍を渡された。 「コウタ、準備はできているか?」 クララ様は随分と機嫌よさげだ。 普段は見せないウキウキとした雰囲気がこちらにも伝わってくる。 きっと狩りが好きなんだな。     
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