1.不思議なことは唐突に起こる

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この行動は何とか間に合い、肉薄してきた蜘蛛の頭にピッケルのスピッツェ(石突)を突き刺すことに成功していた。 蜘蛛の体重と加速が大きかったせいだろう。 ピッケルは深々と刺さり蜘蛛は自滅した。 「大丈夫? 怪我はない?」 大慌てで女の子の所に駆け寄る。 「エレバヌーラバセリアボレーゼ ルカルセ!」 言葉が通じない!  考えてみれば女の子は見た目からして日本人ではない。 青い髪に抜けるように白い肌、瞳の色は灰色がかった青だ。 「ごめん、言葉がわからないんだ」 英語やフランス語じゃなさそうだ。 語学は堪能ではないがそれくらいはわかる。 でも、お礼を言っているということだけは頭を下げたり、手をワタワタしているジェスチャーでなんとなくわかった。 笑顔がとても可愛い。 俺は自分を指さして何度も名前を告げる。 「公太。俺はコ・ウ・タ」 「コウタ?」 「そうそう、俺の名前ね。コウタ」 すると彼女は自分を指さして、 「リア」 と名乗った。 たったそれだけのコミュニケーションでも通じるととても嬉しい。 俺たち二人で名前を呼び合い笑顔になった。 笑うと彼女は一層可愛かった。  改めて彼女を見てみると不思議な格好をしている。 一言で言ってしまえばファンタジー系ロールプレイングゲームの中の登場人物のような格好だ。 革の鎧を身に着け、腰には剣を下げている。     
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