121.スタートライン

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途端に4本の矢が飛来してダミーの胸に突き刺さり、ダミーの姿は霧散してしまう。 続いて鎧をまとった骸骨が八体襲い掛かってきたが、これはゲイリーの剣が苦も無く粉々に打ち砕いてしまった。 「いよいよダンジョンらしくなってきたね」 「自分はずっとこういうのに憧れていたんだよ!」 ゲイリーと吉岡がのんきにはしゃいでいる。 こいつらは強すぎるからゲーム感覚でいるのかもしれないな。 俺はさっきから緊張しっぱなしなのに。  動かなくなった骸骨の額に小さな宝石のようなものがついていた。 これが魔石だ。 「リア、魔石はどうやって回収するの?」 「モンスターが死ねば自動的に剥がれますので、それを拾います」 リアの言う通りしばらくすると魔石はモンスターから剥がれ落ちた。 小さな魔石が八個だが、これだけで4000マルケスにはなるそうだ。 危険にも拘わらず冒険者とか魔石取という職業を人々がやりたがるわけだ。 そうはいっても普通の魔石取はこんなに簡単に魔石を手に入れることはできないか。 ゲイリーの戦闘力があったればこそで、これ程の短時間で戦闘は終わるもんじゃないだろう。  魔石を回収してから改めて調べてみたが、ここは四方を壁に囲まれた空間になっていた。 火鼠が室内を照らすと部屋の真ん中に宝箱が置かれているのが見えた。     
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