121.スタートライン

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少し離れた場所から指示を出してダミーに宝箱を開けさせようとしたが蓋が開かない。 鍵がかかっていたのだ。 「鍵をあけるよ」 スキル「|鍵開け(アンロック)」を使って開錠する。 「『火鼠』といい『|鍵開け(アンロック)』といいヒノハルさんは多才なのですね」 感動したようにロゼッタさんが褒めてくれた。 地味なものもあるのだがスキルの数は多いんですよ。まだまだ成長中です。 改めてダミーに蓋をあけさせると中からは装飾的な短剣が出てきた。 柄にも鞘にも色とりどりの宝石が施されていて、いかにも価値がありそうに見える。 こんなものがゴロゴロしているなら皆がこの迷宮を探索したくなるだろう。 「クララ様、迷宮というのはこんなに宝物がゴロゴロしている物なのですか?」 「新しい迷宮だとそういうこともあるそうだ。だから最初は冒険者などには探索させず、国軍の兵士や貴族が家臣を派遣して宝物をあらかた回収させたのちに冒険者たちにもダンジョンを開放するのが一般的なのだ」 美味しいところは先に食べてしまうわけですね。 「貴族も探索隊を派遣できるんですか? だったらクララ様も!?」 吉岡が食いついてきている。     
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