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4.特別なシチューを貴方に
召喚された場所は小さな農村だった。
冬枯れの風景の中、雪の積もった畑や白い息を吐く家畜たちがのんびりと歩いている。
そんな景色の中でひときわ目立つ青い髪が目についた。
「よかった。召喚することができました!」
「リア!」
思わず二人で駆け寄る。
「無事だったんだね」
「おかげさまで村に帰ってくることができました。本当にありがとうございました! ……あっ、言葉が通じます」
「うん。しゃべれるようになったんだよ」
ちゃんとしたコミュニケーションがとれるって素晴らしい。
ビバ 言語能力スキル!
「そうだったんですね。さっきはちゃんとお礼もしない内にいなくなってしまったんでびっくりしたんですよ。でももう一度会えてよかった」
言葉が通じない時も思ったが、やっぱりこの娘はいい子だなあ。
とても人懐っこくて笑顔が可愛い。
「あの時は後ろからダンジョンスパイダーに襲われてもう駄目だと思ったんです。それで私、普段から信仰している時空神様に助けて下さいってお願いしたら……」
「そうしたら俺がやってきたと?」
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