Karte0:始まりでございます

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「ピクシー」 「あら、なんでございましょうか――キュウ」 「なに一人で喋ってるんだよ、邪魔だから用事がないなら帰れ」 「たまには私のお相手をしてくれてもいいではありませんか?」 「俺はそんなに暇じゃない」  本当、釣れないお方でございます。  彼、キュウは私の方を一瞥すると、そのままお店の奥へと行ってしまいました。またお薬でも作りに行ったのでしょうかね。大変仕事熱心な方でございます。  ……あぁ、それで薬のお話でしたね。  それは――いえ、やはりここで言うのはやめましょう。これ以上言ってしまっては、先が面白くありませんね。何より、私が彼に怒られてしまうかもしれません。彼はあぁ見えて怒ると怖いですから。  それだけは勘弁でございます。  ……それでは前置きはこれくらいに致しましょうか。  これは、一人の少年が紡ぎ出す――不思議な薬と人間のお話。  本日も『奇し屋』、開店でございます。
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