Karte1:美人になる薬

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 カランカラン…… 「ごめんください」 「ん?」  あら、話の途中でしたが仕方ありません。お客様です。  その方はもう、それはとても華奢な女性でした。 「こちらが奇し屋さんであってるでしょうか?」 「あってますよ、ようこそいらっしゃいました」  キュウはお客様に、恭しく一礼します。口調が私に対してのとまるで違いますね。いつもの事でございますが、やはり私も一度はあれくらい丁寧に扱われたいものです。  ……けれどもそんな様子を見て、お客様は少しだけ眉をひそめました。  仕方が無い事です。なんでって、目の前にいるのは自分よりうんと若い少年なのですから。  そんな私だったら怒ってしまいそうな反応にと、キュウは慣れっ子です。  ゆっくりわざとらしい笑いを作れば、そっと女性をエスコートします。 「足元が悪いですからね、こちらへどうぞ」  本当、紳士みたいです。これが裏の世界で薬屋を営む少年だなんて、想像もつきませんよね。 「何か言ったか」 「いえ、何も」  なんとまぁ、地獄耳な事で。  私は少しだけ肩をすくめ、キュウの後ろに回ります。 「それで、本日はどの様な薬をお求めで?」     
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