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プロローグ
もし、運命を変えられるのなら、どんなことも受け入れる。これまでの哀しみを忘れて、何も望まないと誓う。
「ママが好きな、みりん多めの味付けにしといたから」
まだ肌寒い、4月の朝。
朝日が射し込む和室で、作ったばかりの玉子焼きを、仏壇に置いた。
そしてそのまま手を合わせて、まっすぐにその人を見つめる。
「私、今日から中学生になります。パパと二人、幸せに生きていきます」
写真の中で笑うママは、なにも応えてはくれなかった。
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