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「だっこー!」
砂場で、両手をかざして抱っこをせがむ女の子を抱き抱えたお母さんが、優しく背中を擦っていた。
ぽんぽんと撫でられると、女の子は眠たそうに目を閉じる。
幸せそうだった。
眩しいくらい、幸せな家族が目の前にあった。
パパも、静かに家族を見つめて
ベンチの背もたれに背をつけながら、静かに口を開く。
「……すまないな、真規」
あまりにも切ない声に、胸がぎゅっと締め付けられた。
「まだ中学生のお前にさせるなんて……。パパは、ダメな父親だよなぁ」
そんなことない。
そんなことないよ、パパ。
ここまで私を育ててきてくれたパパが、何言ってるの……。
胸がいっぱいになって声にも出せず、私はただ、何度も首を横に振った。
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