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「……よし。まだまだパパが若いってところ、見せてやるとするかな」
何かを吹っ切るように、パパは労っていた肩を慣らしながら立ち上がり、奥に見える鉄棒に向けて歩きだした。
私はベンチに座ったまま、パパの背中を見つめる。
「あた!」
ズデン──と、パパが地面に転がる。
体重を乗せて勢いよく回ったものの、そのまま鉄棒から手が放れてしまった。
「あたた……やっぱり34歳はもう若くないのか?」
太陽の下で笑うパパの髪が、少しだけ白じんで見えた。
まだ全然、若いはずなのに。
年齢より少し老けて見えるのは、たくさんの悲しみの中、ただひたすらに私を育てあげてくれたからだってこと、私は知ってるよ。
これからは肩を並べて、少しでもパパの負担を減らせますように。
砂にまみれたしわくちゃの背広を脱いで、パンと手で払うパパに、こっそりと誓った。
「……私も!」
居てもたってもいられなくなって、私もパパの元へ走った。
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