氷解(その二)

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「どこが変ですか?」 しかたなく池照刑事が質問した。 「白井雪さんに社長を殺したと言われた時に思わず言ってしまった事です。黒瀬みゆきさんは『あなたは社長に騙されている。』と言ってましたよね?」 「…それは、そうでしょ?嘘なんだから。」 「重要なのはなぜ社長が騙そうとしていた事を知っていたかということです。」 黒瀬みゆきは無言で主を見据えていた。 「考えうるのは社長が白井雪さんに宛てたLINEを見たという結論になります。違いますか?」 「それは、ちょっと気が動転してそう口走っただけじゃないかしら?」 「そうなんですか?」 「そうよ。そんな事いくらでもあるでしょ?」 「では、他の協力者に聴くしかないですね。」 「な、なにいってるのよ。バカバカしい。」 「黒瀬みゆきさんはこう言ってらっしゃいますが、本当にバカバカしいですか?」 そう言って主人が見た協力者は意外な人物だった。 豪代進がなんとも言えない顔で主人を見返していた。
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