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「あ、あの時か……。」
黒瀬達也は独り言の様に言った。
「ところで先程の黒瀬みゆきさんが携帯の内容を確認したと思われる発言についてですが、内容を確認する方法は二通りしかありません。つまり送信側を見るか受信側を見るかになります。」
と主人は話を黒瀬みゆきの方に戻した。
「しかし、受信側はその内容を受信している時には黒瀬みゆきさんはトイレですし、その後白井雪さんがずっともっていました。そして西村町子さんの外套に返す時には既に重要なやり取りは消されていたと思います。」
「な、なんでそう言い切れるの?」
黒瀬みゆきが横槍を入れた。
「あなたは『白井雪さんが何かを西村町子さんの外套に入れた。』と証言しました。もし携帯を確認したなら携帯を入れる所を見た。というはずです、更に、白井雪さんが風呂場に現れてからほどなくあなたも現れているので内容を確認して消すのは時間的にも無理ですよね?つまり白井雪さんが消したという事になります。白井雪さんどうですか?」
「え?は、はい。自分に繋がりそうな発言は消しました。最後のLINEは意味不明でしたので消しませんでしたけど。」
「四時半のLINEですね?」
「はい。」
突然の確認に白井雪も動揺しながら答えた。
というか、本人がいるんだからはじめから聞けば済むと思うんだけど、主人にとっては聞くまでもない事なのだろうか?
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