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「あの日僕は何か爆音がして起きたんですがにが起こったのかわからず、その後何事もない様でしたので寝ようと思ったんです。」
「4時27分の落雪ですね?」
「そうです。しかし、その後暫くしてうとうとした頃に窓が開いて、係長が入って来たんです。」
「鍵をかけてなかったんですか?」
「そうみたいですね。」
黒瀬みゆきに言わせたら防犯意識が薄いということだろうけど、今回はそれで助かった様だ。
「それで?」
「その後、係長の話だと社長が凍死しかけているという事と雪さんがそれに関係しているらしいって事を聞かされました。」
「LINEの内容を確認したんですか?」
「はい。」
その時、突然白井雪が倒れかけたのを私が受け止めた。
「雪ちゃん!」
豪代進は駆け寄ろうとしたが美里先生に阻まれた。
「詩歌さん!そのままゆっくりと横にして。」
私は言われる通りにひんやりとした会議室の床に彼女を横たえた。
美里先生は素早く白井雪の容体を診ると警察署内の医務室に運ぶように指示した。
仕方なく一旦中断する形になった。
暫くして池照の携帯に美里先生から連絡が入り軽い目眩ということで頭も打ってないので大丈夫という事だった。
素早く体を支えたお陰だと私は褒められたが、実は主人に白井雪の近くに居るように耳打ちされていたのだった。
ま、それは言わなくて良いだろう。
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